恋文

2023年10月13日(金)

 

あたしの中で音楽が絶たれたと思った。

耳には何の外傷も無く、外傷を受けた心当たりはただの少しも無い。

少し前に、酷くショックを受けただけ。心因性の傷が深く付いたことを自覚した。

 

楽器は弾けない。それは悔しい。でも歌を歌うのが好き。

特別恵まれた環境にある訳では無いので、たくさん音楽を聞いて、考えて、カラオケに行って、思いのまま歌った。その繰り返しをした。

 

音の勉強をした。この事については恵まれていて、あたしがしたい事を快く受け入れ支えてもらえた。それなので勉強をした。

 

あたしの耳は音楽的な意味では元からそう良くない。様々な音が聞き分けられる訳でも無く、細かく音程が聞き取れるわけでも無い。それでもやりたかった音楽にしがみついて、意地と執念で音楽をやった。苦しいことの方が多かろうと、たった少しの進歩で何もかも報われたと思うほどに嬉しい。その繰り返しをした。

 

全部を繰り返した。全部を続けた。

聞こえない。聴こえた。歌えない。歌えた。

納得のいく表現が出来ない。出来た。まだ出来ない。聞く。考える。

 

そうやっていたある日、あたしは少しの出来事で痛烈にショックを受けた。繰り返し続けた音楽が蔑ろにされたように感じた。

元より感情的で無かったから、あたしは少しするまでその事に気づかなかった。少ししてから何か引っかかりを感じた。思うように歌えなくなった。違和感を感じた。繰り返して付けた少しの自信が音も無く破裂していた。

 

音楽を聞くのが少し怖くなった。今までとなにか違っていた。苦しくても出来たことだったのに。意地と執念が燻ったまま鈍く生きている。

 

音楽をきいた。聞こえ方が違っていた。

耳の外を滑っていくようだった。今まで聴こえていた豊かな音があたしをスルスルと避けて流れた。

あたしの中で音楽が絶たれたと思った。

ずっと一緒にいたあたしの音楽はどこかにいってしまって、あたしを避けて通り過ぎていく。

今まで音楽に募らせていた想いが意地と執念だけじゃ無かったことに気づいた。情熱的に想っていて、愛していた。

 

あたしの心が傷ついた時、あたしの自信がなくなった時、知らず知らずに愛と情熱を信じなかったのだと。だから音楽が、あたしと一緒にいてくれた音楽が怒って振り向いてくれなくなったのだと気づいた。

 

また音楽をやろうと思った。今度は音楽を知ろうと思った。あたしと音楽がすれ違ってあたし達は互いに傷ついたけど、まだ音楽はあたしのそばに居てくれるから。

あたしは音楽を愛しているから。

 

 

おわり

国語の教科書みたいな文章書きたかったんだよネ~~泣泣 締めって難しいんだね~~~~泣泣泣

あと段落難しい~~~~泣泣 何もかも難~~泣泣泣

まあ結局デカラブレターなのでこれで良い。